本来「複婚」を指す「ポリガミーpolygamy」の語が充てられますが、一夫多妻は術語としてはpolygynyという語を用いています。また結婚と同様、婚姻についての厳密な一般的定義は不可能である以上、文化人類学/歴史学的に一夫多妻の結婚状態として扱う範囲も定義によって変容します。
その点で「一夫多妻制」という言葉を用いる際は「一夫多妻」以上に制度的・法律的側面を強調することになりますが、一般にはほとんど区別されていません。
現在でも中東のイスラム社会などに認められています。また、アメリカ合衆国のモルモン教徒も近年までは、一夫多妻制を採用していました。ただしこの制度を採用している地域の男性住民のすべてが複数の妻を持っているわけではないようです。
イスラム教の一夫多妻制とは、イスラーム教の公式見解に従えば聖戦によって男性が戦死する可能性が高かったため、未亡人や遺児の生活を保障するために始められたとされています。複数の妻が持てるのは経済的な余裕のある男性に限られます。一夫多妻制は男性による女性支配の原因となっているとされていますが、西ヨーロッパ・アメリカの知識人の中には自国の女性差別を隠蔽するためにこのことを取り上げるものもいるという批判もあります。